5. 戦後の鍼灸制度の変遷 -鍼灸教育を中心に―

目次 

5-1 戦後に新法が制定されるまで適用された法令の概略
5-2 新法が制定されるまでの経緯
5-3 第1回国会で成立した新法の概略
5-4 戦後最初の国家試験について定めた法令の概略
5-5 学校養成施設の修業年数の改正
5-6 国家試験制度変更を定めた法令の概略
5-7 はり師きゅう師を同時に教育養成する課程の教育内容の変遷(昭和時代)
5-8 はり師きゅう師を同時に教育養成する課程の教育内容の変遷(平成時代)
5-9 はり師国家試験科目の変遷
5-10 鍼灸に関する主な法令年表

 

5-1 戦後に新法が制定されるまで適用された法令の概略
—鍼術、灸術営業取締規則 (明治44年内務省令第11号)—


1)試験科目には東洋(伝統、漢方)医学、経絡などの記載はない。
2)地方長官が指定した学校、講習所を卒業すると、試験を受験しないで免許鑑札の出願ができた。
3)昭和22年、日本国憲法の施行に伴い、「鍼術、灸術営業取締規則」は廃止され、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等の規定を含んだ「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法」(昭和22年法律217号)が制定された。     

 文献
鍼術、灸術営業取締規則(明治44年8月14日内務省令第11号) 国立国会図書館デジタルコレクション  http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/788077/201 (2018-8-13)

 

5-2 新法が制定されるまでの経緯
—医療制度審議会の鍼、灸等の取り扱いについて答申—

厚生省医務局編 「医制百年史」には、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法(昭和22年法律第217号)が制定されるまでの経緯が、次のように記載されている。

文献
厚生省医務局編 医制百年史 株式会社ぎょうせい 昭和51年 424~5

 

5-3 第1回国会で成立した新法の概略
—あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法(昭和22年法律第217号) —


1)学校教育法第47条は「高等学校に入学することのできる者は、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者又は監督庁の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。」と規定されている。 

文献
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法官報(昭和22年法律第217号)官報 昭和22年12月20日 第6282号 213-4 国立国会図書館デジタルコレクション http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2962807/1 (2018-8-16)     

      

5-4 戦後最初の国家試験について定めた法令の概略
—あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法施行規則 (昭和23年厚生省令第44号) —


1)前年に定められたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法施行規則(昭和22年厚生省令第37号)には試験に関する規定がなく、この規則で初めて定められた。

文献
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法施行規則(昭和23年厚生省令第44号) 官報 昭和23年9月15日 第6502号 130-1  国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2963038/2 (2018-8-17)

 

 

5-5 学校養成施設の修業年数の改正
—あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律(昭和28年法律第3号)の概略—

文献
あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律(昭和28年法律第3号)御署名原本 国立公文書館デジタルアーカイブ  https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F0000000000000106906&ID=&TYPE=&NO= (2018-8-31)

 

 

5-6 国家試験制度変更を定めた法令の概略
—あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の一部を改正する法律(昭和63年法律第71号)—


1)はり師免許及びきゅう師免許を取得するための試験の受験資格は、大学に入学することのできる者であっては、学校・養成施設の修業年数は2年6カ月以上。高等学校に入学することのできる者であっては、学校・養成施設の修業年数は5年以上。
2)著しい視覚障害のある者については、当分の間、高等学校に入学することができる者であっても、あん摩マツサージ指圧師については、認定された学校養成施設で3年以上、あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゅう師については5年以上修得すれば、試験を受けることができる。           

文献 
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の一部を改正する法律(昭和63年 法律第71号) 衆議院   http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/11219880531071.htm (2018-9-25)

 

 

           5-7 はり師きゅう師を同時に教育養成する課程の教育内容の変遷
—昭和時代(戦後)—


1)昭和28年文部省厚生省令第2号および昭和51年文部省厚生省令第2号の表は、大学に入学することのできる者を入学資格としている学校・養成施設の教育課程表を示している。
2)あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法施行令の一部を改正する政令(昭和39年9月15日 政令 第300号) 第17条(はり師きゆう師課程)で学校養成施設の基準が改正され、「漢方概論(経穴を含む。)」が「漢方概論(経穴に関することを含む。)」に改正された。
3)柔道整復師学校養成施設指定規則(昭和47年5月13日文部省厚生省令第2号) 官報 号外第57号 p31-35 で、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師の授業科目(別表1)が改正されたが、はり師きゆう師課程は変化なし。

文献
1)あん摩師、はり師、きゆう師、柔道整復師学校養成施設認定規則(昭和23年文部省厚生省令第1号) 官報 昭和23年4月7日 第6366号 38-9 国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2962899/2 (2018-8-31)
2)あん摩師、はり師、きゆう師、柔道整復師学校養成施設認定規則(昭和26年文部省厚生省令第2号)官報 昭和26年9月13日 第7405号 214-6 国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2963956/2 (2018-8-31)
3)あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則 (昭和28年文部省厚生省令第2号) 官報 昭和28年7月18日 第7960号 396-8 
4)あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則及び柔道整復師学校養成施設指定規則の一部を改正する省令(昭和51年 文部省厚生省令第2号)官報 昭和51年1月28日 第14716号 2-5 

 

 

 

5-8 はり師きゅう師を同時に教育養成する課程の教育内容の変遷2
—平成時代—


1)著しい視覚障害のある者については、当分の間、高等学校に入学することができる者を入学資格とし、修業年数は、あん摩マツサージ指圧師の学校養成施設は3年以上、あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師の養成施設については5年以上。
2)単位の計算方法は、大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)第21条第2項の規定の例による。(1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。1.講義及び演習については、15時間から30時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。2.実験、実習及び実技については、30時間から45時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて1単位とする。)
3)「はり師及びきゅう師養成施設指導ガイドラインの一部改正について」(文献4)では、教育課程の編成に当たって、はり師きゅう師養成施設にあっては、94単位以上で、2,655時間以上の講義、実習等を行うようにすること、臨床実習については、1単位を45時間の実習をもって構成することと定めている。

文献
1)あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則の一部を改正する省令(平成元年文部省厚生省令第4号)官報 平成元年9月29日 号外第137号 18-21
2)あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則の一部を改正する省令(平成12年文部省厚生省令第3号) 官報 平成12年3月31日 号外第63号 16-8
3)あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則の一部を改正する省令 (平成29年文部科学省厚生労働省令第1号)官報 平成29年3月31日 号外第69号 145- 7
4)はり師及びきゅう師養成施設指導ガイドラインの一部改正について (平成29年3月31日 医政発0331第51号 各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知) 厚生労働省法令等データベースサービス https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2759&dataType=1&pageNo=1 (2018-10-18)

 

 

 

5-9 はり師国家試験科目の変遷

赤字は改正箇所


1)はり実技(実地試験)は除かれた。

文献
1)官報 昭和23年09月15日 第6502号 130-1. 国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2963038/2 (2018-8-17)
2)あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則及び柔道整復師法施行規則の一部を改正する省令 (昭和52年 厚生省令第48号)官報 昭和52年11月30日 第15266号 1
3)あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則 (平成2年 厚生省令第19号) 官報 平成2年3月29日 号外第33号 3-7
4)あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 (平成4年 厚生省令第52号)官報 平成4年9月24日 第1001号 7-8

 

 

5-10 鍼灸に関する主な法令年表

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